決してつまらないわけじゃないんだけど、どう楽しめばいいのかもよくわからない映画だった。
基本の筋は儲け話に乗った黒人ストリッパーのゾラが、やくざのような男に脅迫され、売春の手伝いをさせられるというもの。
描きようによってはかなり怖い内容にもなったと思う。
が、描き方が悪いのか、怖さも緊張感もまるでない。
なんかチャラチャラしてる人たちが、売春したり悪だくみしたりしながら騒いでいるだけ、にしか見えないのだ。
「ここから恐怖の時間がはじまった」とか「この後の彼女の行動に注目だ」といった、煽るような匂わせ文句も出てくるが、映画が怖い雰囲気とはかけ離れているので、それらもほとんど効いていない。
セックスとストリップと車の移動とハイになった人たちのバカ騒ぎ。
ただ、これだけが延々と続いていく。
途中、主人公の視点が変わるところがあり、なるほどここから面白くなるのか、とも期待したが、それもすぐに元に戻ってしまった。
炎上したツイッターが元になっているということだが、そういう演出もほぼない。
結果、やっぱり延々とセックスとバカ騒ぎを見せられている感じになってしまう。
観終わっても、いったいこれは何を撮りたかったんだろうという思いが残る。
どこにも焦点が合わずに、最後まで来てしまった映画だと個人的には強く感じた。
ただ、テンポは決して悪くなく、観ていてつまらないというわけでもない。
なんというか、変な映画にはなっていた。
