backpacker

Zolaゾラのbackpackerのレビュー・感想・評価

Zolaゾラ(2021年製作の映画)
2.0
〈女衒・娼婦・彼氏!オールメンヘラ総進撃!!〉

良質でクレイジーな作品を連発する新進気鋭のアートスタジオ『A24』が手がけた、「Twitter投稿の映像化」映画。
そんな出自から予想された通り、まあまあ珍妙な作品ではありました。

本音を言えば、面白くもつまらなくもない映画でした。作品のフックである「投稿の映像化」を除けば、目新しさも特に感じず、こんなものかとしらけ気味。
『A24』ブランドを考えれば、微妙だったと判断せざるを得ない印象です。立派な看板への期待値が高すぎました。


本作は、2015年にTwitterに投稿された「148のツイート」を映画化し、米国でスマッシュヒットを記録したらしいのですが、本国で受けても外国で受けるとは限らないかな……とつくづく思わされる作品でもありました。
日本のTwitterって、魑魅魍魎が跋扈するオタクと奇人変人と企業広告のカオス無法地帯ってイメージなので、ピンと来ません。
このピンと来ない感は、『ディア・エヴァンハンセン』のほんの少し遅れてる感と同じ、早すぎる時代の変遷が作用したものと推測しています。

バカ丸出しな感想ですが、「アメリカンなポールダンスだー」「デカい車、広い道幅、なんもかんもデカい景観」「日常の一コマとしての警察による暴力も見慣れちまったなー」これくらいしか記憶に残りません。BLM運動で社会問題として噴出した警官問題がサラッと落とし込まれているのは、問題提起としてはいいんですがね。


通知音の連発・8mmフィルムのような荒い画面・セックスワーカーとSNSの関係性・知性の終わりは大衆社会と共に、といった要素は、作品を印象付けるものとして面白くはありましたが、いかんせんドラマが弱すぎます。
ツイートを映像化してるわけですから、当然っちゃ当然かもしれませんが、凝ったアート感を演出してるんですから、中身も捻って欲しかったです。
backpacker

backpacker