ポゼッサーのさわだにわかのネタバレレビュー・内容・結末

ラストの意味。最初のアイデンティティ・テストに出てくる蝶は緑色で最後のテストに出てくる蝶は赤色なので女上司がこっそり差し替えたのだと考えられる。この人は主人公を後継者にしたがっており、そのために主人公を家族から引き離す（「夫といると危ないって言ったでしょ」「私がそう言った？」の会話がヒント）必要があった。借りた肉体を殺すたびに遠隔暗殺者は自己を失っていく。そのことに抵抗を覚える主人公に対して女上司は執拗に自分自身で肉体を殺すよう要求する。それも彼女を空洞の操り人形にするためだ。なぜそうまで主人公に執着するのかはわからないが、子供を殺した後に主人公に見せる笑顔からすれば、恋愛感情のようなものもあったのかもしれない。相手を空洞にして自分と同化させることは恋愛妄想の究極だろう。もちろん暴力の究極でもあるとしても。