Eirain

ポゼッサーのEirainのレビュー・感想・評価

ポゼッサー(2020年製作の映画)
3.6
ついにこの時が来た!鬼才デヴィッド・クローネンバーグ監督の息子、ブランドン・クローネンバーグ監督の長編第二作『ポゼッサー』、Blu-ray発売!期待値モリモリで早速鑑賞!

主人公のタシャは、特殊な装置を介することで、他者(・・・タシャ?)の脳内に入り込んで遠隔殺人を行うことを生業としていた。殺人遂行後、通常、入り込んだ他者の身体で自殺することで"離脱"するが、その行為を行うことに躊躇いが生じていた。そしてとある任務で遂に"離脱"することが出来なくなる。タシャの支配から目覚める元の"所有者"の意識、混ざり合っていく自我と自我―――。

「他者の意識を"所有"し続けたことで自我を見失い始め、元の"所有者"の意識と混濁していく様を描いたSFサスペンス。」

他者の意識を乗っ取るための顔面を覆う装置のデザインや他者の意識と混濁していく描写は、父デヴィッド譲りのセンスと言わざるを得ない。特に後者が秀逸で、(父デヴィッドの全盛期とも言える)80年代特殊効果の雰囲気をそのままに現代版としてグレードアップしたかのよう。80年代特殊効果が好きな人にはきっと堪らないはず。(演出を見た瞬間「スーパー80年代!」と心の中で叫んでいた。いや自分でも意味不明。)

ラストの締め方は少々しっくり来なかったが、十分期待どおりのものをみせてくれた。次回作が非常に楽しみ。
Eirain

Eirain