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MOTHER マザーのkoheiのレビュー・感想・評価

MOTHER マザー(2020年製作の映画)
3.3
17歳の少年が祖父母を殺害するという、実際に起きたむごい事件に着想を得て作られた映画。そこに至るまでの、母と息子の共依存的で倒錯的な関係性を描いている。

『タロウのバカ』もそうだし、言ってみれば(ドラマ版と比べたときの)『セトウツミ』もそうなのだけど、大森立嗣監督の映画は徹底的に共感性が排除されていて、社会問題の描き方がめちゃくちゃドライだ。社会保障の網の目から漏れざるを得なかった人々の家族の物語というと最近では『万引き家族』が真っ先に思い浮かぶが、その“親密さ”とは対照的な映画であると言えるだろう。だから母と息子がそこまでお互いを好きなように見えないことや、彼らの突発的な行動に驚いてしまうかもしれない。しかし、こうした非人間的とも言える問題を扱う際には、扇情的ではない極めて客観的な描き方/見方も重要なのかもしれないと大森監督は教えてくれているように思う。

女優デビュー20年目にして新境地の演技をみせている長澤まさみが結構すごい。大好きなドラマ『プロポーズ大作戦』を思い出しながら、その変貌ぶりに呆気をとられた。