ノラネコの呑んで観るシネマ

MOTHER マザーのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

MOTHER マザー(2020年製作の映画)
4.4
重度の依存体質で、1分先の計画性も持たない精神年齢5歳の母親と、物心ついた時からドップリと母から依存されて育った息子の悲劇。
物語の行き着く先は、まあこの歪な一心同体親子ならこうなるだろうねというものなのだけど、ストーリーテリングに目が離せない迫力がある。
実際にいそうなリアリティたっぷり。
残酷で無邪気なタイトルロールを演じる、長澤まさみが貫禄ありすぎてヤバイ。
ちょい体重も増やしてるのではないかなあ。
キャラクターのタイプは全然違うのだが、演者とのギャップは「モンスター」のシャーリーズ・セロンを思い出した。
この怪物に寄生される、息子視点で描かれる話なんだが、どんなに理不尽なことやらされても、母を嫌いになれなのが痛々しい。
子供は生まれる親を選べないからねえ。
生まれた瞬間からクソみたいな人生の中で、母を愛する心だけが存在の拠り所だったのだろうな。