れでぃ夫

MOTHER マザーのれでぃ夫のネタバレレビュー・内容・結末

MOTHER マザー(2020年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

良いように共依存と言っているけれど、
完全に主従の関係が出来上がってて、胸糞悪いことこの上なかった

長澤まさみがくそ母親を熱演
終始殺意がわく

子どもは監獄よりも、母親と過ごした外の世界の方が監獄だったと感じているようだった
母親が外界を地獄にしていたのだけれど、
地獄だらけの世の中で、母親が好きだという気持ちだけを生きる糧にして生きている

全部ダメだったけど、母親が好きなのもダメなんですか?と真剣な眼差しで言ってくる主人公になにも言えなくなる

だけど、社会はそれもダメだと言わなければならない気がする
何度も救われるタイミングがあった主人公
その全てを邪魔したのが母親
母親は息子にたいして呪いになる言葉で行動を制限していく
一人の人間として見ていない
自分の子供なんだから、どう育ててもいい
自分の分身だから
などという世迷い言は自分を投影しているというよりも体の一部であり、自由自在に操れるという支配関係を匂わせる

社会はそこに介入しなければならない
何度もしようとしてはいたが、引き離すという最終手段を取れなかった
子どもは生育環境によっていくらでも変わる
引き離し、しっかりとした教育さえ受けられれば
母親からの加害に気づけるようになる
その機会を巧みに潰し続けていたのが母親じゃないか

全ての子どもは幸せになるために生まれてきているので、
他人の教育に手を出すなとからそういう次元の話にないと強くおもう

おばあちゃんとおじいちゃんの最後の会話はとても泣ける
彼らは辛く当たってはいたものの、孫に罪がないことはわかっている
本当の父親も息子に自分のもとに来るか?と意思の確認は行ったが、誰も母親からの無理やり引き離そうとしなかった

子どもは母親から引き離すべきではないという幻想が
社会を、そして、この母親をダメにしているのかな
れでぃ夫

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