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MOTHER マザーのmitoのレビュー・感想・評価

MOTHER マザー(2020年製作の映画)
2.7
2020年64本目。
自由奔放に暮らす秋子、ネグレクトも日常の彼女の息子である周平。二人を中心に歪んだ親子の絆を描く。

予告編が良過ぎた。
久し振りに良い予告編だと、本編観終わって感じた。
予告編だと、長澤まさみの怪演、容赦ない非情な展開が強調され、期待せずにはいられなかったが…。

確かに長澤まさみは普段とは違う役どころを体張って演じてたが、その役が彼女に合っているかというと、別にそうではない。

話についても、共依存が要点なのだが、いまいち秋子と周平の関係性に説得力がない。
冒頭からラストに至るまで周平が依存する程、(形ばかりでも)愛を周平に与えているように見えない。
そのせいか、ラストの事件については個人的には、ヤケクソで凶行に至ったと錯覚し、その後の語りも納得がいかなかった。

あともう一点致命的と感じたのは、阿部サダヲ演じるリョウがワンスポットキャラではなく、終盤まで登場する事。
あのキャラクターは妹である冬華を秋子に身篭らせて「はい、さようなら」で良いと思う。

凄い邪魔。

前述した共依存には見えない原因として、このリョウの存在も影響があって、秋子の愛情を向ける対象が大事なタイミングで毎回このリョウに向かうせいで、秋子にとっての序列がリョウ>子供達としか感じられない。
(そういう意味では秋子とリョウは共依存に見えなくもない)

親子間の共依存にしたかったら、リョウをスポットキャラにして、他のワンナイトな男達と同列にするべき。そうすれば最終的な「もう周平しか頼れる人はいない」の説得力が増したのでは?

リョウの存在もあり、周平の幼少時代が異様に長くだらけるのも問題だが、全体的に説得力に欠ける展開が多い作品だと感じた。
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