キャサリン子

MOTHER マザーのキャサリン子のレビュー・感想・評価

MOTHER マザー(2020年製作の映画)
3.5
2014年に埼玉県川口市で実際に起きた「17歳の少年の祖父母殺害事件」。
この事件を取り扱った書籍『誰もボクを見ていない』にインスパイアされて描かれた作品。

久しぶりに、めちゃくちゃ落ち込んだ。
重い。惨すぎる。観てて苦しい。
辛すぎて上映中何度も胃の辺りを押さえた。そのくらい、観てるこちらの気分が悪くなる。
映画観たあと事件のことググったらら、まんまだった。実際の方がエグいけど、映画とほぼ同じで余計落ち込む。

長澤まさみ演じる母親は、働きもせずパチンコばかり。金にも男にもだらしなく自堕落で救いようがない。
阿部サダヲ演じる内縁の夫はもっとひどい。暴力&無職、その上借金まである。絵に書いたようなダメ男。

学校にも行かせてもらえず、住む場所もなく路上やラブホテルで生活し、耳を塞ぎたくなるような汚い言葉で罵られる。
それでも少年は、ああなることを自分で選んだ。
母が好きだから。
母に、愛されたいから。
この作品は、子供にとって母親の存在とは何かを鋭く問題提起している。

長澤まさみのキャスティングについては、思ったよりハマっていたと思うのだが、彼女の隠しようがない品の良さがどうも滲み出てしまっていて、私的には微妙だった。
それよりも、息子役の奥平大兼君の大物感!
オーディションで選ばれた新人らしい。しかも、本作が初オーディションだとか。
柳楽ゆうやの再来かと思った。すごい俳優になる気がする。
キャサリン子

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