MOTHER マザーの作品情報・感想・評価 - 3ページ目

上映館(219館)

「MOTHER マザー」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

瞬間瞬間では良い部分もある作品なんだけど、チグハグで、全体的には課題の残る作品。長澤まさみのファムファタールとしての役割は素晴らしく、大西信満が籠絡されたときの絶望感たるや。

多くの人のレビューやSNSの評判では夏帆の演じる亜矢さんが好意的に論じられているが、彼女の役は非常に酷い。自分自身が近接領域で働く身であるため、彼女の振る舞いには終始疑問で、ラストにかけては怒りで震えた。ハッキリ言えば、亜矢さんは職業人として失格であり、周平の起こした事件に対して悔いる存在でならねばならない。にもかかわらず、亜矢さんを観て、「救われた」と口にできる無邪気な無神経さが世間の怖さと無知なのでしょうか。皆川猿時の役もそうなのだが、大森監督にとって「福祉」とは善意や利得と同意義のものにしか映らないのだろうか?あるいは映画のご都合主義的には、ああいう役回りであって欲しいのだろうか?

というか、何故に阿部サダヲは長澤まさみの場所を掴めたの?あの男にそのような調査能力もなければ、再度の別離のシーンも彼の行動原理や必然性が認められず、ただの「バカな不可解な男」になっている。

この映画を観ている中で場面が進むにつれて、世界がサァーっと閉ざしていく感覚に襲われた。ある意味で周平が感じていたようなものであろうが、監督の提示する映画世界の狭さに窒息を覚えそうであった。2点は演者の頑張りに。折角の素晴らしい配役が非常に勿体ない。
パチンコ…男…借金…邪魔な子供。
堕ちる人生を描いた〈反面教師映画〉は、気を引き締める思いで定期的に見たい私。
その意味で満足。
冒頭から面白さが止まらない!

間の取り方やカット割り、劇伴の入れ方など、大森立嗣演出を今回も堪能。
長澤まさみの毒母名演も相まり、満足度高い良作。
開始5分からエンドロールまで、ひたすら秋子(長澤まさみ)が憎かった。
途中で帰りたくなるくらいイライラするのは、私が幸せな家庭で育ったからだろうか。ここまで主人公に感情移入できないのもすごいなというほどの長澤まさみの怪演。夏帆のビクビクしてる表情も、トラウマを抱えてる様子があらわれていてよかった。最後まで悲しい。これが現実に起こった事件ということが1番悲しい。
是枝監督の「誰も知らない」と比べられたりするけど、誰も知らないには幸せなシーンがあるんだけど、そういうシーンは一切ない。周平の目つき。共依存と愛は紙一重で、否定することで選択肢を奪い、愛情を利用する母親。私には秋子が悪魔にしか見えなかった。
kani

kaniの感想・評価

-
小学校の頃の同級生の、今思えばあの子ん家はっていう家の男の子が、いつもなかなか喋り出せずに目を伏せて口をもぐもぐさせてたあの仕草を思い出した。そっくりだった
ひろこ

ひろこの感想・評価

3.8
評判通りのクズ親〜!てかシンプルに、なぜ働かない?!性格的に夜のお仕事とか向いてそうじゃん?どんだけ働くの嫌なん。なにが目当てって阿部サダヲ好きで観に行ったんだけど、登場シーンからホストクラブのコール、最後まで全部好きなサダヲだった笑 いやクズ野郎なんだけどね、やっぱ好き笑
実話をベースにしてるって言うのが今もどこかでこういう苦しんでる人がいるって想像するとすごくもどかしい気持ちになった
実際貧困っていうものがあるのは知ってるけど結局他人事で終わるからこういう作品は何か考えさせられる
あと共依存って言葉がすごく印象に残ってて息子の健気さに心打たれる

このレビューはネタバレを含みます

水曜の振休、品川に用事あったのでせっかくだから映画でもと。
大森監督って大森南朋のお兄さんだっけ、と思いながら鑑賞。最前列で観たらちょっと首いたくなった…。


なんとなく、『彼女がその名を知らない鳥たち』を彷彿とさせるような…あ、サダヲのせいか。
"リョウ"という名前がなかなか馴染まなくて、心の中ではずっと"陣治"って呼んでた。陣治はいいやつでリョウはクソヤローだけど。

言わずもがな、周平(10)のかわゆさよ…!
第2の城桧吏くんですよ!てゆーかめちゃ似てた。本気で「え、桧吏くん…?」て思てた。
悲しげにも無表情にも投げやりにも見える眼差しと引き結んだ薄い唇が、、、もーぉ100 点満点ッ💯くるくる癖毛の冬華もまたくそかわだったので、この2人のツーショットが見たかった。や、青年周平とのツーショットもこの上なく可愛かったのだけど。
ラブホでママを庇ったとこ、ほんと切ない。かわいい。やめて。クソ馬鹿どもがセックスに縺れ込むとバスタブに縮こまってるの可哀そ可愛い。やめ、て…。

青年周平もさ、磯村勇斗みあって妙な色気放ってるのよね〜新たな逸材。
フリースクールで写真とってもらったり亜矢さんに親身になってもらったり親方におにぎり放ってもらったり、優しい人々は意外と周りにたくさんいたのにな…。
「くさい」…また出てきたよ、思春期がいちばんダメージ受ける悪口。『誰も知らない』の柳楽くんで相当「ゔッ…」てきたけど今回もまた。あの台詞がなければ1人でもフリースクール通い続けたかもしれないのに。
共依存はそうなんだろうけど、まあ側から見て理解はできないわな。冒頭のプールのシーンとかだけ観てたら『万引き家族』みたく、貧しくて道徳に悖る環境の中でも真っ当な愛情はあるのかと思ってたけど…こいつぁ違ったぜ。ある意味愛情ではあるのだろうけど。幼い娘置き去りにして死なせたギャルママのニュースあったばかりですしね、こりゃあかんよなと。はよ保護したげてーーー!

まぁなんつーか、見つめただけで男を手玉にとれるのは才能だよなと。
風俗嬢にならなかったのが、この親子の敗因だと思うよ。(リョウはホストなのに)ふ
あお

あおの感想・評価

3.6
・作中の「母」が最初から最後までどこにも属さず(属せず)ずっと一人で大立ち回りをし続けるのだけど、「もっと他の生き方あるだろ」と突っ込んでしまうその仕草に説得力を感じさせてしまう「長澤まさみ」力。
・主要な登場人物全員に大して、全く「共感」はできないのだけど、どこか「理解」はできてしまう。
・終始呼吸が浅く心臓が早く動いていた気がする。
2020年 91本目

【はじめに】
あの清純派代表格の長澤まさみが“汚れ役”やるという事で以前から気になっていた『MOTHER マザー』であるが、観賞後脱力感と虚無感をものの見事に抱かせてくれた。
ジャンルとしては“毒親モノ”で類似作品としては『誰も知らない』が挙げられる。
今作の最大の魅力はある種の“歯痒さ”であり、この“歯痒さ”と“共感”の矛盾が作品の脱力感と虚無感を増幅する装置として機能している。

【ストーリー】
息子の周平は劇中で幾度となく救いの手を差し伸べられる。しかし毎回の事、母である秋子を選んでしまう。毎度観客として「秋子を捨ててでも、幸せになれ!」と願うのだが、母親を捨てる事が出来ない息子の気持ちは多いに理解、ないしは共感出来る。
そんな母親と同様かそれ以上に不快に感じるのは、周平の周りを取り巻く男達だ。彼らは一見子供(周平とその妹)の面倒を見ているようだが、子供達に注がれるそれは秋子との“肉体関係”によって成り立つ、いわば“偽りの情”ともいえる。感情が見えにくいとはいえ、感受性豊かな年齢の周平にとって大人の男は“汚いモノ”に見えていたのではなかろうか。劇中で夏帆演じる亜矢が「大人って楽しいよ」と周平に語りかけるのだが、周平からすればたまったもんじゃないだろ、と私は思った。
世間一般では“共依存関係”にある秋子と周平。しかしこれを間違っているという権利が社会の何処にあるのだろうか。
そんなこんなで、差し伸べられる救いの手から見事に転落していく親子は、祖父母の殺害を以て一つの終わりを迎える…。
ここからは本編を観て確かめて欲しい。古今東西星の数ほど存在する母子であるが、秋子と周平も当人達にとっては一つの完成された関係なのだと私は感じている。

【映像】
映像作品としてはBGMを多用しない邦画独特の“間”が作品に厚みを持たせていたと思う。ラストシーンは特に終了後の虚脱感を増幅させてくれた。

【総評】
ストーリー面と映像面共に重厚かつ社会問題に切り込んだダークサイド邦画である。これを読んだ方には是非映画館へ足を運んで観て貰いたい。日本映画特有の陰鬱な感じが堪らなく唆られると思う。
pon

ponの感想・評価

-
最後までこの母を信じることが出来なかったなぁ。悲しい。何故ああなってしまったのか、彼女の少女時代を知りたい。そこに答えがあるのではないかと思った。