このレビューはネタバレを含みます
愛していない年の離れた夫に辟易している若い妻と流れついたアウトローとの道ならぬ恋を描く。
大好きなジャック・ニコルソン出演じゃなかったら絶対観ないような不倫モノだが、やはり彼の油ぎったおっさんなはずなのに明らかに只者じゃない風貌(主に目と眉と口あと髪…)、声、そして仕草はたまらない。
率直に言ってしまえば、短絡的で明らかに長続きするわけない刹那的な情欲に突き動かされて周囲を破壊しながら転がっているだけなのに結末を見届けたくなるのは彼のカリスマ性と若きジェシカ・ラングの溢れんばかりの色気に拠るものだと思う。
…最後に天罰が降るところを見届けようとした訳ではないと思うが。。たぶん。
特に出るものが出るわけではないがかなり際どい部分のアップやまさに獣のような熱量を持ったラブシーンがあまりに強調されているのでそこだけの印象が強いが実はクライム映画のテイストも結構盛り込んでいたのが意外で法廷シーンまで出てきたのには驚いた。
前述したように悪事を働く2人は短絡的でかなり詰めも甘いのだが時折感じる緊張感はなかなかだった。
ロマンティックなことだけは上手いが働かないし生活力0なアウトローの男と堪忍袋の緒が切れてもエッチしたら許しちゃうダメ妻の燃え上がる刹那主義にイライラしつつもなんだかんだ結末まで見届けてしまった（笑）
さすがに最後の最後に起きた事故はショッキングだったが…
フランクはきっとまた同じようなことをするしそもそも長続きしなさそうではあったがジャック・ニコルソンの喪失感に満ちた泣き声に「ざまぁみろ」とは思えずシュンとしてしまった。。
不倫はされる側でキツい思いをしたのでまったく感情移入はできなかったが素晴らしい演技に強引に惹きつけられる体験をした映画だった。名優ってやっぱりすごい。
そういえばツナギを着てイヤそーな顔してスタンドで働いたりエプロンを着てイヤそーな顔をして大量のエッグサンドを作らされてる珍しいニコルソンが拝めたのも良かった（笑）
