順慶

僕が跳びはねる理由の順慶のレビュー・感想・評価

僕が跳びはねる理由(2020年製作の映画)
4.0
本作を見るにあたり、文庫版「自閉症の僕が跳びはねる理由」が家にあったので、読んでいた。当時13歳の東田くんが書く自閉症の世界を知り、少しはわかっているつもりだったけど、いかに偏見だったかを恥じた。
そして、大阪でも上映が始まった矢先に緊急事態宣言で映画館は休業。6月1日から上映が始まったが、平日のみで夜9時までの時短。あの。それじゃ見ることができる作品もかなり限られてしまうんですけど。
でも、運良く仕事終わりに夜の上映に間に合った(少し急いだので体温が気になった)。

前置きが長くなったが本作。

東田くんのの本「自閉症の僕が跳びはねる理由」を翻訳したが、イギリス人とその自閉症の息子や同じ自閉症の子をもつ家族を描いたドキュメンタリー。それぞれを描きながら、東田くんの本の言葉を引用していく。その言葉がいちいち胸にささる。

インドでの扱いは酷かった。悪魔付きとか魔女だとか。その後のセリフは、もっとつらかった。現代とは思えない。中世ヨーロッパの歴史かよ。

これがイギリスの作品で、逆輸入的に東田くんが認知され、少しは自閉症のことを知って、改めて考えるきっかけになった。東田くんの功績は、尋常じゃない。

やっぱり映画館の音響はいいなと改めて実感していたら、これがodessaの音響システムだったのか。きれいな詩的な映像を何倍も盛り上げてくれる良い体験だった。
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