とあるショーマンの成功と転落を巧みな展開と共に描き出したデル・トロ監督の最新作。
2022年121本目。
今年の賞レースを賑わせたメキシコの巨匠ギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』以来となる最新作です。フリークショーで見せ物にされる生きた鶏を喰らう男は出てくるものの、クリーチャーは出て来ずどういうことかと観ていたら、なるほど、今回は人間の内面に潜むクリーチャーを巧みな展開で描いていましたね。
途中少し退屈になる部分もありましたが、後半一気に盛り返してなるほどそう来たかという演出は鮮やかで新たな境地を見たような気がします。全てを悟り狂気の笑いが止まらなくなっているラストのブラッドリー・クーパーの演技は、かなりアイコニックで強く印象に残る名シーンだと思います。