すごく静かな、良い作品でした
写真家 上田義彦さんの初監督作品
上田監督は写真家らしく、フィルム撮影とできるだけ自然の光を使うことにこだわったそうで、それがよく解る作品に仕上がっています
水の音と濡れた感じの透明感、風によって生まれる音、光のコントラスト、といった五感を刺激する美しい映像と音が印象的でした
富司純子さんの凛とした佇まい、大御所の風格とオーラを放ち圧倒されます、特にシュッシュッと音をさせながら着物を着るシーンが素晴らしかった、忘れられないシーンです
そして鈴木京香さんもとても綺麗で色っぽく、魅力的でした
富司さんともしっかり渡り合っており、その堂々とした立ち居振る舞いがとても良かったです
全編通していいなと思ったのは舞台となる立派な屋敷、歴史を重ねた風格を感じ、本当に素晴らしかった、間取りが良いのが一番ですが、内装を彩る囲炉裏、シブいレコードプレーヤーやソファなどがすごく素敵でした、短期間でいいのであんな家に住んでみたいものです
素晴らしく光り輝くものでも限りがあり、いづれは姿を消してしまう、万物は儚い運命と共に生きる
というテーマを受取り、もの悲しさを感じ切なくなりました、とても良い作品です