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スイング・ステートのGreenTのレビュー・感想・評価

スイング・ステート(2020年製作の映画)
1.0
アメリカの選挙システムがいかに機能していないかを描いた風刺コメディです。

ゲイリー・ジマー(スティーヴ・カレル)は、民主党の選挙活動のコンサルタントをしているが、2016年にヒラリーがトランプに負けたことで意気消沈している。次の選挙までに、民主党・共和党が接戦を繰り広げる激戦州(スィング・ステート)を勝ち取るプランを立てなければならない。

そんな時、スィング・ステートの1つであるウィスコンシン州の小さな町・ディアラーケンで、退役軍人で今は農夫をしているジャック・ヘイスティングズ(クリス・クーパー)という男が、町で働く不法移民を擁護する動画が拡散される。ゲイリーは、ディアラーケンの次の市長選にジャックを民主党から立候補させ、現職の共和党系の市長に勝てば、ウィスコンシン州をスィング・ステートから「ブルー・ステート(民主党優位の州)に変えられると目論む。

この最初の掴みが良くわかんなかったんですけど、要するに「退役軍人」で今は「農夫」というのは、典型的な共和党支持者(保守派)なんだけど、「不法移民を擁護する」のは民主党的(リベラル)なので、共和党支持者を民主党支持に変えさせるには、ジャックのような人がピッタリ!ということなんだなと思いました。

ゲイリーは、市長選に民主党として立候補するようにジャックを説得するため、単身ディアラーケンに乗り込んで行くんですけど、町の人たちとのやり取りが可笑しいらしいんだけど、なんかピンと来ないなあと思ったら、要するにワシントンDCみたいな都会に住んでいる政治家は、田舎の人たちの感覚からは剥離してしまっていて、だから中西部の人たちに民主党の声を届けられないんだ、ってことらしい。

例えば、ゲイリーはチェックのシャツにダウンベスト着てるんだけど、それも「田舎の人はこういうカッコしている」っていう、都会の人から見たステレオタイプ。地元のパブに入って「バドワイザーとバーガー」を注文する。これも、保守派の人が好きそうな食べ物、というステレオタイプ。しかし店員とか客が「??」って感じになるんですね。「これなに?」って思ったら、実はこのパブはドイツ系の人が経営していて、バドワイザーとバーガーは置いてない。けど、よそ者のわけわかんないヤツが来たから出してあげた、ってことらしい。

で、ジャックは、ゲイリーが選挙活動を直接取り仕切るなら、という条件で市長選に出ることに賛成し、ジャックの娘・ダイアナ(マッケンジー・デイヴィス)を始めとして町の人たちが選挙活動のボランティアをする。

『ターミネーター・ダークフェイト』でファンになったマッケンジー・デイヴィスが出ていたのは嬉しかったんですけど、この選挙活動するボランティアの人たちが、「選挙活動ってどういうものか」が良くわからないところがまたコメディ・ポイントなんでしょうが、ここもピンと来ないんですよね。まあ私が政治に弱いせいなのかもしれないけど、私みたいな人に「なるほど〜、こういうものなのか!」って興味を持たせるような面白い脚本ではないなと思いました。

スティーブ・カレルって私はあんまり面白いとも思ってないんですけど、特にこの映画では、セリフがそんなにセンスないので、スティーブ・カレルの演技に頼っちゃっている感じが余計寒々しいなって思いました。笑えるギャグをやるシーンでは、何テイクも撮って一番面白いのを使うんだろうけど、その「何テイク」を連発して見せたりとか、センスない。

で、なんか盛り上がらない選挙活動の模様がダラダラと繰り広げられて行くのですが、なんで盛り上がらないかと言うと、候補同士が競い合ってるところじゃなくて、資金集めの実態を描きたいようなんですね。

ジャックがニューヨークに行かされて、資金集めのパーティに出るシーンで、「地元のために働いていなくちゃいけないこの時期に、金持ちのパーティに出て資金集めをする・・・こんなシステムは間違っている!」みたいなことを言うんだけど、「?」

だって地元での選挙活動も、地元の人から寄付金集めているだけなんだもん(笑)

なのにゲイリーはジャックに「お前、すごい!あれをハッキリ言える人間はそうそういない」みたいに持ち上げてるし。

それに、ジャックが「民主党の声を持つ保守派」というキャラなのはわかるけど、彼が市長になったら何をしたいか、公約?がなんなのかがさっぱりわからないのに、みんな投票するのかね?それともそこがポイントなの?「保守派」か「リベラル」か、肩書だけが大事で、内容はどーでもいいってところが?

そんで最後どうなるかはコメント欄で。