deenity

情婦のdeenityのレビュー・感想・評価

情婦(1957年製作の映画)
4.0
何度見ても心地のいい映画。数多あるどんでん返し映画の中でも先駆け的存在であり、完成度も高く、古典的名作でありながら今日まで他の追随を許さないこのジャンルでのトップクラスの作品。

理由はもちろんラストシーンにあるのだが、当然ネタバレはできないので見てほしいとしか言いようがない。それにしてもあの観客を嘲笑ったかのようなオチはビリー・ワイルダーも鼻高で「オチはバラさないでね♩」なんて言っていることだろう。

しかし秀抜なのがオチだけではここまで心地よくはならない。「やられた!」という痛快さよりも「まいったな、こりゃ」という出し抜かれた感の方が強い。…こんな訳のわからない感覚レビューで伝わるだろうか(笑)表現力のなさが切ない。。

でもきっと私にそう思わせたのは個々のキャラが立っているから。本作は真っ直ぐ無駄のないストーリーだが所々に織り交ぜてあるキャラクターの仕草に愛着がわくのだろう。だからこそ本当の最後のシーンが感じさせる「騙された!だけど心地がいい!」という感覚に繋がるのだと思う。
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