ヨーテボリ映画祭にて。
アンソニー・ホプキンスがとにかく可愛らしいおじいちゃんを演じているのだけど、これはいろいろな思いが混じり複雑な気持ちになる映画だった。
元は戯曲とのこと。
アンソニー・ホプキンス演じる認知症の80歳の老人、実際のホプキンスの年齢と近いし、その役名がアンソニー。
ホプキンス自身が元気で何事もなく生活している様子はインスタ等で見ることができるが、もしも彼が認知症になってしまったらこんなふうになるのでは?という、不謹慎ながらリアルな想像をしてしまって辛すぎた。
アンソニーの記憶の混乱をそのままストーリーとして見ている感覚、まるで記憶の混乱の追体験のように感じる。
そこにいる人がわからなくなる、さっきまで見ていた物を忘れる、自分がどこにいて何をしているのかわからない。
当事者しかわからない感覚だろうと思っていたことを、画面を通して疑似体験しているようで、アンソニーとともに喜怒哀楽を味わう。
ストーリーとしてはシンプルすぎるのだけど、その見せ方語り方、構成で最後はガッツリ引き込まれていた。
あんな可愛らしいおじいちゃんが泣く姿は辛くて見てられなかった。
感動や悲しみとは違う意味で泣けてきた。
アンソニー・ホプキンスはやっぱり偉大だな。
どうか元気で長生きしてほしい。