公開前から評判が良く、アカデミー賞主演男優賞もしっかり獲ったし（個人的にはチャドウィック・ボーズマンではなくアンソニー・ホプキンスだと思っていたので鑑賞してより納得）ストーリー情報をあまり入れず期待値高めで鑑賞。
とにかくアンソニー・ホプキンスの演技力の凄まじさにのめり込む97分。ずっしり重たい演技なので（と言ってもお茶目なシーンもあるが）体感140分くらいだったけどそれだけ目を惹きつける、上手に計算されて作られた作品なのだと思う。同名タイトルの戯曲をベースに、どのパートが妄想でどのパートが真実なのかをあえて明確にせず観客側の想像力をかき立てる演出も素晴らしい。同じドアを何回も使った演出が個人的には好き、舞台だとどうやって演出したのか気になる。準主役のオリヴィア・コールマンも過度に主張しない演技とそれぞれの状況での演じ分けがとても良かった。
イモージェン・プーツは『ビバリウム』ぶりだったのでちゃんと上質な作品に出演していて評価もされており一安心。最近認知症・介護を扱ったドラマ『俺の家の話』も観て、もし家族がそうなった時のためにしっかりと揺らがない心構えと元気なうちにしっかり話し合いをしないといけないなと思うミドサーの私。
