ファーザーのたかたんのレビュー・感想・評価

導入部分で、これは妄想だと気づかされてグッと入り込み、現実と妄想の区別がつかないまま物語が進んでいく。認知症の主人公の一人称の視点で描かれており、認知症になったらこうなると思わせる脚本は素晴らしい。まったくオチがない結末だけど、自分が将来、肉体より先に頭が朽ちてきたらこうなると恐怖を覚えさせるラストだった。こういう手法の映画は初めてだった。老いを感じる年齢になっているので、とても刺さった。