たむたむ

ファーザーのたむたむのレビュー・感想・評価

ファーザー(2020年製作の映画)
3.9
『レリック』観た流れで観賞。

世界各国で上演された舞台(ちなみに日本では橋爪功が主演だったらしい)の映画化で、本作は舞台版を手掛けたフロリアン・ゼレール自らが、映画初監督を務めたヒューマンドラマ。

これは父の日にオススメの作品!
名優アンソニー・ホプキンスが、自身と同名・同年齢の、一人の父親が老いていく過程を見事に演じ、第93回アカデミー賞で2度目のオスカーを獲得しています。

認知症患者の視点がミステリチックなアプローチで描かれていて、それによりこちらが「認知症」を疑似体験できる構成になっているのですが、なるほど、あんな感覚なんですね。。
見知らぬ人が知らぬ間にリビングで寛いでいたり、急に部屋に入って来たり、どの記憶が正しいのか全く分からなくなったり。恐ろしすぎます;

父アンソニーの視点だけではなく、娘アンの視点も時折交える事で、より物語に奥行が生まれているのも味わい深かった。

幼児退行という症状は良く耳にしますが、父親が次第に小さく弱々しい姿になっていくのを見守るというのは、本当に辛いことでしょうね。
幸い親の介護は未だ経験が無いなりに、観ていて漠然とした不安や切なさが込み上げて来る作品でした。
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