認知症の話というのは知っていたので、私の母も認知症で亡くなったので観るのを躊躇していたが、Amazonの無料配信が終了するので鑑賞。
監督が書いた戯曲を自分で映画化したそうだが、娘の目線と父親からの目線と両方描かれています。
恐らく監督の実体験なのでしょう、かなりリアルでした。
冒頭で辞めると連絡してきた介護士のアンジェラって、あの子のことだよね。あんなに気に入っていたのに、日によって初対面の知らない人間になってしまうんですね。
私の母はアンソニー程プライド高くも気難しくもなかったので、ここまで大変ではありませんでしたが、娘アンの心情が痛い程分かりました。
母も最期の方は私が娘だと理解していませんでしたが、母の内面も、アンソニーの様に出会った人や記憶が入り混じって、混乱してたのかな。
娘役のオリヴィア・コールマンは、私はドラマ『Fleabag フリーバッグ』の意地悪な継母のイメージが強かったのですが、現実にいる等身大の女性を演じていて良かったです。
また、アンソニー・ホプキンスも81歳で認知症の人の役をやっており、最後の方の現実が認識できなくて戸惑い、不安のピークに達して泣きだすところなど、演技でこんな芝居が出来るのだから、いつまでも現役で凄かったです。
日本は施設に入るまでにデイサービスを利用でき、また、家族が旅行に行く時などはショートステイも使えるので、イギリスよりは選択肢が広く、介護保険が高くなったとはいえ、有難かったです。