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ファーザー2020年製作の映画)

The Father

上映日:2021年05月14日

製作国:

上映時間:97分

ジャンル:

あらすじ

「ファーザー」に投稿された感想・評価

桃太郎

桃太郎の感想・評価

3.6
認知症体験ムービー

その世界がどう見えてるかはわからないけど、こんな感じなのですかね

家族を大切に

忘れられにくい存在になります
嵯峨

嵯峨の感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

家族の絆とか感動系かと思ったら恐ろしく怖いもうホラーのレベルにまで達して、しかも最後の絶望感とか半端ない映画でした。

「サウンド・オブ・メタル」でも感じたけど、映画を通して「体験する」ってすごくいいなと思うんだけど体験のさせ方がすごく怖かった。「ビューティフル・マインド」とか思い出したけど、バーンと一回真実を知らされても衝撃を受けるというのが何回も続くのに「え!!これも!!」ってなる。というかどれが本当のことなのかがわからない、え、え、え、っていう怖さ。時系列にしろ、場所にしろ、登場人物にしろ、何が何やらわからない、まさに認知症患者の混乱が体験できるし、これは本当にしんどいなと思った。

「自分の連続性」なるものを論じてる本を読んだことあるけど、まさにそれが脅かされる病気なんだなと思った。「自分の連続性」を担保しているものが自分の記憶や他者だったりするわけで、昨日の自分が寝て起きたら同じ自分と思えるのもそれがあるから・・・なんだけどそれが失われていく怖さが描かれてた。そこには混乱があるし、恐怖がある。だからアンソニーは、連続的に動く腕時計に拘るし、孤独を恐れたのだろう。確かに季節とかそういった時間的な変化が描かれてない、何時だとかそういったものしか描かれてなく、誰がいつどういった関係になったのかとかが一切最後までわからない。もう怖いわ〜って思った。カレンダーの意義を痛感する映画でした。

■認知症を患っているアンソニー・ホプキンスが主人公という事だけを事前情報として入れていた。
重い認知症に悩む老人と、介護に苦労する家族の苦悩、を描いた感動の家族ドラマなのかなぁーとか予想していた。

実際は、そう単純な話ではなかった。
いい意味で裏切られたし、物凄く緻密に練られたた脚本によって観客はミステリー映画のように物語に没入させられる。
そう、脚本が素晴らし過ぎる。

■「信用出来ない語り手」という手法が有り、映画で使われる場合は、誰かがセリフで語る事により観客をミスリードするのが普通。
本作ではセリフではなく、主人公アンソニーの主観が、そもそも認知症により信用できない事が徐々に分かってくる。
認知症であるアンソニーから観る場面と、他の人から観た場面が、違う。同じセリフを話してても、部屋の様子が違うとか、話している人の顔が違うとか。

同じ場面を、時系列を前後しながら、何度も映し出される。
真実が何なのか少しずつ整理しながら観るから、頭がフル回転するが、観ている間、一時も目が離せないし没入感がハンパ無い。

アンソニーは悩み考える。と同時に観客もわからなくなる。
・「俺が住む部屋は誰の部屋なのか。」
・「何故、この部屋に住むことになったのか。」
・「娘(アン)の夫だという、この眼の前の男は何者なのか?」
・「俺の時計が無い。アイツが着けている時計が俺のに似ている…盗んだのか…」
・「アンの妹ルーシーは今どこにいるのか?」「そもそもルーシーは存在するのか?」
・「何故周りのやつは俺をバカにするのか?」
「何か皆、俺の記憶と違う事を言ってるぞ…」

・「俺はいったい、誰なんだ。」

認知症を患った家族の面倒を見る者にとっては、時に疎ましく思う事もあるが、
認知症が進行し自分が誰なのかさえハッキリわからなくなると本人にとってはサスペンスというより、ホラーだ。心底恐ろしい。

登場人物の風貌やセリフだけでなく、何気ない仕草、部屋に置かれた家具や飾られた絵にまで細かい伏線や仕掛けが貼られている。
何度か見返すと、さらに発見がありそう。


■アンソニー・ホプキンスは本作で二回目のアカデミー主演男優賞を受賞する訳だが、納得。
人は認知症になれば、人目を憚らずに喜怒哀楽の感情をむき出しにし、幼児返りする。可愛い介護士を前に、タップダンスを踊っておどけるシーン。
自分の時計を盗まれたんじゃないかと娘婿を訝しむシーン。
自分の記憶がおかしいと気づき始め、恐くなるシーン。全てのシーンが素晴らしい。
■部屋に飾られたていた大きな絵画。
描いたのは次女のルーシーだとアンソニーは言う。
彼女は恐らく亡くなったんだろうな、というのは姉アン(オリヴィアコールマン)の表示から推測する事が出来る。恐らく不幸な亡くなり方をしたのだろう。
アンソニーが部屋の窓から眺める外の風景に、度々現れる少年。少年は紙風船で遊んでいて、風に吹かれて飛んだ紙風船を取ろうとする。観客には車に轢かれそうな危うさを感じさせる。
終盤、アンソニーの意識がいつぞやの、(どこかの)病院に居る。「ルーシー?ルーシー?」…  病院のベッドの上には酷い外傷を負った女性が横たわってこちらを向いた。

彼女は次女のルーシーなのだろうか? 少年は車に惹かれなかったがルーシーは不幸にも交通事故にあったのだろうか。それをアンソニーは今に至るまで悔やんでいる。そう示唆しているように観えた。
巧みな演出。

■先述したとおり、脚本がまず素晴らしいのは間違いないが、絵作りも素晴らしい。
アンがパリに旅立つシーン、マンションの中庭に置かれた、バカデカい人の顔のオブジェ。不気味で恐ろしく、本作のミステリー感を引き立てている。

あれは実際に存在するものなのか、VFXで造った影響なのだろうか。
顔の周辺は、欠けている。また人の顔は見る角度によって表情が違うようにも見える。
人間の記憶(脳)はこのように欠けていてアテにならず、何が真実なのかは誰にも分からない的なメタファーとして見る事が出来る。

■印象的なシーンといえば、認知症とはいえ、アンソニーの発言に深く傷つけられたアン。(兄弟、姉妹が、親に比較され、優越を付けられるのはやり切れない。認知症とは言え。
いや、認知症だからこそ、健常な時には配慮して言わなかった心の内、本音を正直に話ているかもしれない。
そう考えると、やり切れないし、アンソニーを恨んでしまうかもしれない。

その直後に、アンが父親アンソニーが寝ている部屋にそっと入り…枕元に立ち…
 …?顔を撫でているのか?? …いや首を締めて殺している…?!ように見えるシーン。
後に父親の顔を優しく撫でていた事が分かるが、ギョッとさせられる良いシーンだ。
アンは妹と比較され言葉による誹謗だけでなく、虐待を受けていた可能性さえ想像させられる。
カメラアングルと編集が素晴らしい。
apoLion

apoLionの感想・評価

4.4
認知症を支える家族だけでなく患者本人の視線からも描いた傑作

締め付けられるような内容でとてもエンターテイメントと呼べる代物ではないが、史上最高の演技という謳い文句も役不足となるぐらいの芸術作品だったように思う。誰も知らない認知症患者の不安や孤独を描けたのもアンソニーの演技力あってこそだろう。

認知症で施設に入った親族を抱えていただけに、個人的に観ることを途中で辞めてしまい兼ねない辛い時間だったが、逃げられない劇場で観て正解だった。
miyabi

miyabiの感想・評価

4.5
えっ。えっ。観ている 自分も ボケ⁉️
現実なんだか?
幻想なんだか?
今なのか?
夢なのか?
長女なのか?
次女なのか?
介護仕なのか?
えっ、この男は、誰?
解らなくなった⁉️

アンソニー・ホプキンス
本当に 最高の ボケ老人❗

オリビア・コールマンも 父親の介護の難しさ、悲しさ、やるせなさ、を 凄く自然に。

そう言えば、自分の亡くなった父も 時計大事にしてたな😢
Hiromu

Hiromuの感想・評価

4.6
仕事で認知症の方と関わることもあり、非常に興味深い作品でした。

前情報で認知症の体験型というのは聞いていましたが、予想してたよりも何倍も衝撃を受けました。確かに、認知症の方は言動とかがめちゃくちゃだし、記憶力の低下があってすぐ物忘れをしていきます。認知症だからとかではなく、1人の人間として関わる必要があると再認識しました。

どこまで忠実に再現してるかは、まだ情報見てないのでわからないですが、認知症の恐ろしさを実感させられました。記憶障害は改めて怖いなと思いました。あんなに時系列がごちゃごちゃになっていて、見ている側もどれが事実かわからなくなる演出が巧みでした。

あとは、主人公のアンソニーを演じたアンソニー・ホプキンスのナチュラルな演技が圧巻でした。アカデミー賞主演男優賞を受賞したのも納得のいく演技でした。ラストシーンの演技もグッときました。

現時点で今年公開された映画の中で、個人的にベスト3に入れたい作品でした。
4Kで鑑賞。認知症をホラー的に見せるコンセプトはいいのだけど、投げたら投げっぱなしというか、観客に対しては何が真実かどうかの明確さや親切さをもう少しはっきりと指し示す必要があると思う。あのバランスだと散らかし放題のまま終わっている感も拭えないし、夢オチと大差なし…… という面も強調されてしまう。認知症であるのをいいことに、いくらでも整合性が無視できる中途半端のやりたい放題。それは作り手の姿勢としてどうなのかという疑問の余地だけが残った

このレビューはネタバレを含みます

すんげー。ビックリした何だこれ。
認知症の老父って情報くらいしか知らない状態で観ることが出来て良かった。
主演男優賞は言わずもがな脚色賞取ったのも納得

淡々と進んで行くようなミニシアターでかかってるタイプの人間ドラマかと高を括ってたらゴリゴリにスリラーだしホラーじゃん。
こんなんノーラン作品観てる気分になるわ…
ポスターの今年最高の感動作!とかいうミスリードも最高っすね
j

jの感想・評価

3.9
父と娘の家族愛の感動物語🥺


と思いきや...

どちらかというと認知症体感型の震える映画だった😨

途中観てるこっちが何が何だか分からなくなって泣きそうになる。

これホント脚本家えげつない。認知症だったら脚本は上手く描けないだろうし、でも多分認知症だったら、こんなふうに世界が見えるんだろうなと思わせるくらいリアル🥶どうやって書いたんだろうか。
茶色

茶色の感想・評価

3.5
記憶が断片的で自分の意思でなくタイムワープをしているような、時間軸がずれ自分に関わる人々も前回の記憶とは異なる。恐ろしくてしょうがないんじゃないだろうか。認知症の方が感じてる事見ている事を体感してるような映画だった。アンソニーホプキンスがとてもチャーミングに絶望的に喪失感も交え演じてらした。あの名演、ご本人は軽く演じてそうで怖い(笑)

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