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キネマの神様のdancingufoのネタバレレビュー・内容・結末

キネマの神様(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

全く残念な作品になってしまったもんだ。
原作もあったもんじゃないよ。
山田洋次は何を伝えたかったのか?

沢田研二のクズっぷり演技は及第点。
志村けんよりもむしろ良かったかも。
木戸賞祝賀会で歌った東村山音頭はこじつけ感があるが彼なりのリスペクトなんだろうな。

しかし、ストーリーがダメダメ。
ゴウや淑子の性格や内面の葛藤がほとんど描けられてないから、共感できるところほぼゼロ。

ゴウは何故か監督に抜擢されたのに緊張でクランクイン初日にいきなり下痢。しかもスタッフとのトラブルもあって落下事故で腕骨折。それが元で映画会社も辞めて、実家の岡山に戻るって、尺の関係もあるが急展開すぎて唖然。
本当に映画好きなのか?本当に淑子が好きなのか?
岡山から現在までのゴウ人生が酒とギャンブルだけでしか語られておらず、墓場と鉄道に挟まれた立地とはいえ、なんで一軒家持てたの?

昔書いたシナリオが木戸賞を取ったけど、孫に現代風に清書させただけだから、本人の内面や行動に大きな変化があったわけでない。
だから授賞式での妻への詫び状も伝わってこない。

伏線めいたものは、テラシンが撮った若い頃の淑子の写真くらい。でも、わざわざゴウを介して渡す必要がない。だって淑子のパート先なんだから。

で、ラストはシネマの死神?に誘われて、魂はスクリーンに吸い込まれて客席で死亡ってのもね。

ゴウがシナリオに書いた、スクリーン上の往年の女優が飛び出してくるという設定は、「今夜、ロマンス劇場で」でもやっていたが、完成度といい、込められた映画愛といいロマンス劇場の方が数段上でした。
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