たいよーさん

キネマの神様のたいよーさんのレビュー・感想・評価

キネマの神様(2021年製作の映画)
2.4
旧来の価値観から映画を語ってくる感じがしてハマれなかった。もちろんあの主人公に共感しようとは思ってないけど。昔の映画も知らないしなんだか…。


観る前に両親が観ていたのだが、言っていた通り、ちょっとゴウの価値観が看過できない。言えば物が出てきて、ギャンブルやっててもお構いなし。そこに対してのアプローチも粗末。コロナ禍も入れたことでバランスも悪くなっている。終盤に出てきたセリフにも少し引いたし。もろもろ価値観が合わなかった。それを平然と書いてる山田洋次もちょっとキツイのではないか。サンモニの喝さんと似ている気さえしてくる。

それでも映画をフィルムで撮っていたころはやっぱり新鮮に映って楽しい。そこに宿る緊張感とか、セットでタバコを吸っていても問題ないとか、賃上げを求める動きが作中に落とし込まれていたりとか…。重みを感じるし、そこに至る汗は美しい。ただ、そこにも人間関係の薄っぺらさがあったりして、とことんズレていく。とにかくゴウに振り回された人たちの心情もあまり見えなかった。

志村けんが亡くなったこともあり、沢田研二の演技は一段と気合が入っていて、ダメ男ぶりが滲む。ただキャラ的には志村けんで観たくなかったな…と思うこともあって、割と良かったかも。


たまに行く川越スカラ座がガッツリ出てきて嬉しかった。いろいろな映画製作映画が今年出てきているが、映したいものに良さを感じなかった。やはり既成の価値観で物事を言う年上は、今古いままな気がする。
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