リラリオ

ジャマル・カショギ殺害事件 真犯人は逮捕されないのリラリオのレビュー・感想・評価

3.3
サウジアラビアの著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギがトルコのサウジ総領事館内で殺害された事件の闇を描いたドキュメンタリー。

事件は2018年10月2日…
ジャマル・カショギが在トルコサウジアラビア総領事館を訪問後、行方不明になる…。
かつてサウジメディアの顔、王室の顧問だったジャマルは、ムハンマンド・ビン・サルマーン皇太子(愛称・MBS)と対立し、政権批判を続けていた。

ジャマルとMBSの対立はトランプ大統領のサウジアラビア訪問から始まる…。
米政府とのパイプ作りのため数千億ドルの武器をガッツリ購入→トランプ「MBSにとって、これくらいはした金っしょ!」→「トランプの野郎…サウジを食い物に…」ジャマルはTwitterでトランプ批判→MBS激怒→が、批判続ける→MBS、側近にTwitter荒らし部隊を作らせ、政権批判をするTwitterを攻撃させる→ジャマルに「ツイートも執筆も禁ずる!」と指示→世論に影響力を持つTwitter有名人、反体制派、活動家が次々逮捕される→「サウジ、マジ息つまるわ…」嫁と子供を残し、ジャマルは米国に亡命(のち妻と離婚)→政権をバチクソに批判→もちろんTwitter荒らされまくる→反体制派に資金を支援→トルコ人女性と婚約→婚姻手続きのためイスタンブールのサウジ総領事館訪問。
そして消息絶つ…

世界中のマスコミが大騒ぎ→「監禁…こりゃ…殺されてんな…」→総領事館内を捜査するには国際法の規定によりサウジの許可が必要→サウジは失踪の関与を否定、捜査を拒否→事件から13日後、捜査を許可する。

証拠収集→殺害場所は会議室と判明するが、遺体見つからず→防犯カメラの映像
で、数台の車が総領事館から総領事公邸へ向かうのを確認→総領事公邸捜査→あやしい井戸…サウジ高官「井戸は捜査範囲外だ!」→事件当日、総領事館が有名料理店に30キロの肉を注文したことが判明→「これ…遺体を焼く際の臭いを誤魔化すためだな。燃やされたらDNA証拠残ってねぇな…」
結局、ジャマルの遺体は見つからず…。

「ジャマルは俺のせいで殺された…」
サウジ国民の8割が利用するTwitter。
政府は国民のTwitterは監視、情報を操作し世論をコントロールしていた。
政府にマークされ、カナダに亡命した活動家オマルは独自のSNS軍隊「蜂の軍団」を作ることにする。
人を集め各自アカウントを複数作らせる→セキュリティ問題でアメリカとカナダのSIMカードが必要→が、金がねぇ…→ジャマルに資金を支援してもらう→SIM大量購入。

「蜂の軍団」VS政府「ハエの群れ」目指せ国内トレンド1位!Twitter大戦争始まる。
しかし…なかなかトレンド入りできず→新戦略#蜂たちを知ってるか?→見事トレンド入り→ジャマルもツイート→ついにトレンド1位に!
と同時にジャマルは消息不明…

政府はイスラエルの企業から入手した最強のスパイウェア「ペガサス・バージョン2」でオマルの携帯に侵入し、情報根こそぎ盗んでいた。
そこからジャマルが反体制派に接触し支援していることがバレてしまう。
「アイツ…記者じゃなく反体制派になってら!」
政権の内情を知り尽くしたジャマルは国家の敵…そして殺される…。

事件の真相究明に国連が動き出す。
トルコ当局と証拠を共有。
・15人の刺客(半分はMBSの側近)
・使われた自家用機は政府所有
・殺害前会議録音(遺体切断方法の説明、ジャマルを生贄扱い)
・殺害時の音声記録
・サウジ一座によるジャマル替え玉捜査かく乱大作戦 などなど…

ジャマル殺害事件は世界中で関心を集める→が、余裕をぶちかますMBS→ジャマル殺害から数週間後、サウジで国際会議が開かれる→会議、大失敗に終わる→サウジへの圧力が高まる→投資家からも見放される。
親しい関係だったAmazon創設者、当時ワシントン・ポスト紙オーナーのベゾスとの仲もこじれる→事件後、ベゾスはMBSとの連絡絶つ→ワシントン・ポストに正義を求める意見広告をゴリゴリに掲載→MBS激おこ→ここで「ペガサスバージョン2」の出番→ベゾスの携帯に侵入→データ大量流出→ベゾスの不倫写真→大暴露される→ベゾスは離婚→しかしサウジは攻撃の手を緩めず…Twitter上でも猛攻撃。
世界一の大富豪を監視する技術を持つサウジアラビア…恐ろしや…。

決定的な証拠あり。誰もがMBSの指示っしょ!有罪っしょ!となるが…奴が…
トランプ「数千億ドルの武器買ってくれたから、揉めたくねぇな~関与も否定してるし~」
サウジは政権内の1部のアホが暴走し、勝手にジャマルを殺したと主張。
事件は…数人の実行犯だけ逮捕され、真実は闇の中に…。

いや~サウジはもちろんやべぇが…トランプも相当やべぇ奴だな。「武器買ってくれたから揉めたくねぇ」って…小学生かよ。
そしてまさかのサイバー攻撃をくらった Amazon取締役会長ベゾス 笑
裏でこんな事があったなんて知らんかった。ペガサスバージョン2…マジ恐ろしやです 。
まあ闇深ではありましたが…思っていたよりライトな内容のドキュメンタリー映画でした。
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