ryodan

監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影のryodanのレビュー・感想・評価

4.6
自分にとっては見るに値する作品でした。今の世の中を別の角度から見るとこうなりますって感じ。SNSを積極的に使っていない自分にとって、分からない事だらけだったのが、この作品で何となくおぼろげに理解したつもりでいます。自分の行動が操られていると悟ったとしても、たいして何の反応もしないのが大多数だと思うけど、管理されているという束縛感より今置かれている環境が快適ならばそちらを選ぶという心理。じゃ「快適」って何?常にスマホをチェックする環境が快適なのか?コミュニケーションツールだからビジネスツールだからチェックしなきゃいけない。でもその行為自体は果たして快適なのかな?テーブルで面と向かっている二人がお互い何の会話もせず一心不乱にスマホをいじる光景にどうしても違和感を覚えてしまう。別にわざわざ喋らなくてもいい。ただ向かいに座っている相手の存在を消してまでのめり込む必要性がどうしてもあるとは思えないんだよね。現実社会での共有認識より目に見えない相手との共有を優先する価値がスマホにある以上、快適という言葉の意味は、本来の意味から遠く離れ利便性に重きを置いた意味になってしまうのかもね。
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