オーストラリアのメルボルンカップで、女性騎手として史上初の優勝者に輝いたミシェル・ペインの半生を描いた実話ドラマ。
10人兄妹の末っ子であるミシェル。幼い頃に母親を亡くして、競馬トレーナーである父親の男手1つで育った彼女。騎手になった兄妹に囲まれた環境で、彼女自身も騎手を目指すのも自然な流れ。
そこからの過程は文字通り波乱万丈。男社会である騎手の世界で女性が勝ち上がるのはかなりのハードル。落馬で姉を亡くした経緯があり、自身も落馬が原因で何度も再起不能レベルの大ケガを負う。挙げ句の果てにレースで反則を取られて20レース出場不可になる事態まで。
そんな心が折れそうになるような出来事ばかりなのに、メルボルンカップで優勝することだけを目指して、全く歩を止めないミシェルの意思の強さに熱くなります。
幾度となく訪れる困難を乗り越えての終盤のメルボルンカップでのレースは、盛り上がりとドラマも熱量満点。結果は分かっていても、それまでのドラマがあったからこそ、より一層感動的でした。
彼女を支える兄妹たちとの絆。特にダウン症を患っている兄のスティーヴィーとの共闘は胸に響くものがありましたね。そして父親役のサム・ニールの厳しさの中に温かさがある演技は本作の見所の1つ。
1時間半くらいの短さの中に魅力がギッシリ詰まっています。素直に良い映画を見れたなと感じましたし、彼女のような目標に向けて諦めないことの大切さを改めて学んだ一作になりました。
