にくそん

ライド・ライク・ア・ガールのにくそんのレビュー・感想・評価

4.0
今年観た映画のなかで、爽快さ、気持ち良さでいうと一番かも。観る前から結末が分かっていても、興奮で拳を握るし、体が熱くなる。レースの撮り方いいな。蹄の音とか暴力的なスピードとか隣り合う騎手の罵声とか、テレビや観覧席から見るのとまったく違う。迫真。ドキドキした。

傷ついた人と傷ついた馬がいたわり合うように海辺を走るのを上から撮った画と、娘のレースの実況ラジオを馬房で聴いてるお父さんの画がかっこよかった。大きなレースの前の身支度の様子もわくわくした。

ダウン症候群の弟くんがいいキャラ。自由奔放に振る舞って、咎められたら「僕、ダウン症だから」って思いきり病気を盾に取っちゃう。ちっとも悪びれないので、そう言われたらみんな笑うしかない。病気そのものを克服することはできなくても、病気であることは克服できるんだと思った。幼い頃にはテーブルの下に隠れてドーナツ食べてた二人が、長じて騎手と調教師になって名馬に関わるって最高。

実話ベースなので、最後にご本人映像がちょっと出てくるんだけど、本物のミシェル・ペインは声が高くて、うわーと思う。明らかに体の小さな人の声だから。この人があんなことやってのけたのかってそこでまた感動した。
にくそん

にくそん