ゆめちん

グリーンランドー地球最後の2日間ーのゆめちんのレビュー・感想・評価

3.5
グリーンランド-地球最後の2日間-
 
突如現れた彗星の破片が隕石となり地球に衝突し、各国の大都市が破壊される。さらなる巨大隕石による世界崩壊まで残り48時間に迫る中、建築技師の能力を見込まれたジョンは政府から選ばれ、妻子とともに避難所への輸送機に乗るため空港を目指す。
 
巨大隕石衝突系のディザスター映画という先入観を持って鑑賞したが、実際には家族愛の描写に重点が置かれ、最後まで緊張感が途切れない展開は見応えがあった。
 
この手の作品では、通常女性は男性主人公の庇護に隠れがちだが、本作では妻であるアリソンにも、主体的に家族を守ろうと奮闘するドラマが与えられている点は好感が持てる。
 
生きるか死ぬかの状況で、暴動や略奪といった人間の醜い部分だけではなく、随所に温かくて優しい "人助けの精神" がさり気なく挿入され、その脚本構成が心に強く響く。
 
ジェラルド・バトラーであれば "強い父親像" を連想するが、本作では浮気が原因で妻に追い出された少し情けない建築技師の設定で、国家の再建に必要な人物に選ばれる。コロナ禍で "命の選択" が現実となった今、誰が選ばれ誰が選ばれないのか、作中で選択の基準について明確に示して欲しかった。恐らく私の職業では選ばれないだろうけど…。
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