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グリーンランドー地球最後の2日間ーのmaverickのレビュー・感想・評価

4.3
2020年のアメリカ映画。主演はジェラルド・バトラー。彗星による地球崩壊まで48時間のタイムリミットを描くディザスタームービー。


設定自体はよくあるディザスターもの。だがドラマ部分がしっかりしているのと、緊迫感のある展開とで非常に面白い。政府や学者の目線ではなく、あくまで一般人の目線でパニックを描いてあるためにリアリティが半端ない。主人公はジェラルド・バトラーだが、サバイバル術に特化したタフガイなどでもない。判断力に優れ、勇気のある頼れる父親というだけだ。でもそんな頼れる父親もこの未曾有の状況にはパニックの連続。それを家族で協力し合い、ひとつずつ困難を乗り越えてゆく姿に勇気をもらえる。絶望的な状況の中でそこから必死に逃れようとする人々が描かれ、そこには人間の愚かさと素晴らしさを感じ取ることが出来る。この作品の本質はそうした人間を描いた部分である。

序盤の空軍基地までの緊迫感が半端ない。いわゆる最初からクライマックス状態である。その後もまるで連続ドラマのように、次々と状況が一変する目まぐるしい展開を見せる。ディザスタームービーならではのスケールの大きい描写も圧巻。クライマックスに向けて絶望感を演出する。また、そうした絶望的な状況の中での人と人の優しい触れ合いは感動的で涙を誘う。そして迎えるラスト。あっという間に駆け抜けたが、心にしかと残る良作である。

ジェラルド・バトラーは優しさと力強さのある父親を好演。変わらず魅力的で素晴らしい。奥さんを演じるのは『デッドプール』のモリーナ・バッカリン。とってもセクシーなんだけど、ちゃんとお母さんなんだよね。子供のために必死に行動する母を熱演していてとても好感持てた。子役の子も上手かった。


一貫して家族の絆の強さが描かれているのが良かった。誰かのために自分の力を使う人って素敵だ。人には優しくしようと素直に思える。自分のことだけ考えていたら世界は滅びてしまうだろうね。ちなみに続編製作がすでに決定しているようで。どういう展開になるのかちょっと楽しみだ。
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