春陽

チィファの手紙の春陽のネタバレレビュー・内容・結末

チィファの手紙(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

国は違えど岩井俊二監督なんだな…という、カメラワークや光の当たり方。(そりゃそうなんだが)とは言え、日本だとなんか空気に水気があるというか、湿っぽさを感じるのだが、中国だと空気が乾いているというか、砂風っぽいという感じがした。空気感にお国柄がでていて不思議だと思った。そういう撮り方が上手いのだろね。

『ラストレター』は、余り興味が持てなくてスルーしたが、中国版は、今の中国に興味があって鑑賞。だが、こちらの方が2018年と先に作っていた作品だったのね。韓国版もあるとか。

ここ10年で急激に近代化した中国はニュースで見るくらいだから、この回想時代の中国が馴染み深い。まだ、こんなところがあるのかな〜と思っていたら、公式サイトのプロダクトノートを読むと、製作陣の苦労もここだったらしい。回想の1988年を再現するには、かなりの試行錯誤があったが、違和感のないリアルを追求した結果、日本版にはない、過去と現在の距離が顕著なビジュアルになり、時代の差が風景になり、情緒を生んだ、と書かれていた。確かに、日本も随分変わったが、中国の変わりようは比べ物にならないからね。この作品が良かったので、 興味がなかった日本版も観てみたくなった。
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