「ラストレター」もあんまり好きな作品では無いのだけれど、中国人キャスト、スタッフでの"別バージョン"という試みではどう違うのだろうか?という興味の一点で鑑賞。
うーむ……かえって、というか必然というか。
馴染みでない言葉、馴染みでない演者、異国の文化、という距離感がある分、この脚本=お話に対して持っていた違和感というものが、よりクッキリしてしまい……ダメだろ?……っていう結論に。
そもそも主人公の行動に共感が持ち難いのだけれど、松たか子という個性でなんとかギリギリファンタジーとして成り立っていた所が、端麗なジョウ・シュンになって、よりサイコパスみが出るというか……やっぱりこの話(この人たち)オカシイよ!?wってなってしまう
解釈によってはあの小説の存在が「彼女」を追い詰めた様にも解釈出来るし、やっぱりこの話をロマンティックな泣ける話として受け取るのはどうかしている様に思う。
撮影がこちらが先という事で、回収がおざなりな弟の存在や姑のサブエピソードなど日本版「ラストレター」で調整されている所がいくつかあるのは確認出来るけれど、だからといって両作とも面白いとか味わいが違うという事も、無く。
勿論、岩井俊二だしキャスト陣も実力は確かなだけに、映画として一定のクォリティはある。
あるからこそタチも悪い、とも言える。