マクガフィン

チィファの手紙のマクガフィンのレビュー・感想・評価

チィファの手紙(2018年製作の映画)
3.7
抑制が効いた演出で「ラストレター」と類似点が多いが、時代と季節が違うことが良く、一冬の出来事に纏める叙情的なテイストはセルフリメイクでも興味深い。全体的なトーンは、季節が冬からか陰影の影がやや強く感じる。「ラストレター」鑑賞済み。

視線の向け方、情景の取り入れ方、美男美女の配置は、「ラストレター」に軍配か。改革開放による過去と現在の対比が鮮明で、回想シーンの素朴な街並みと高層ビルに囲まれた現在の上海の背景が絶妙。一度もカメラ目線にならない犬の演出など「ラストレター」より良かったことも。要の終盤に繋がるシークエンスは、手紙と字幕の相性が抜群に良くノスタルジーを喚起される。