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福島は語る 完全版のkyokoのレビュー・感想・評価

福島は語る 完全版(2018年製作の映画)
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悲しみと無念の思いが中心だった劇場版に「怒り」を増加させた5時間20分。
劇場版の14人からおそらく証言者の数は倍ほどになっている。かなり核心に迫っているものもあれば、ちょっと違和感を感じたものも。

自身も双葉からの避難民である会津若松の小学教師・小野田先生の話はやっぱり泣いてしまった。

当事者ではない人たちは、忘れてはいけないと「あの日のあの時刻」をわざわざ思い出す。その行事が辛くて、同じように避難してきている生徒たちと校外に出てその時をやり過ごしたという。

この日この映画を選んで観ていることも「結局は当事者じゃないゆえにできることなのでは」という思いがよぎった。

でもやはり忘れてはいけない。
今もなお帰ることも故郷を忘れることも出来ず苦しんでいる人たちがいることを。

そして国は(国民は)過ちを繰り返すということも肝に銘じたい。
国家という得体の知れないもののために次は自分が「棄民」になるかもしれないと、本気で思う。
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