大野

泣きたい私は猫をかぶるの大野のレビュー・感想・評価

泣きたい私は猫をかぶる(2020年製作の映画)
4.6
内容も展開も超好きな作品だった。
もっと早く観れば良かった◎

『美少女戦士セーラームーン』や、
『おジャ魔女どれみ』等のディレクターだった佐藤順一さんと、
『千と千尋の神隠し』で仕上げをされていた柴山智隆さんの、
W監督によるオリジナル映画で、
制作は『ペンギン・ハイウェイ』作ったりしてたスタジオコロリド。

猫と人間の関係なら素直なのに、
人間同士になった途端そっけなくなる。

人のそういった “壁を作る習性“ というか、
“仮面をつけてしまう不器用さ“ が、
しっかりと物語に落とし込んである作品。

もうね、その落とし込み方が本当に綺麗なので、
堂々とオススメしたい。

中学生の思春期ならではの感じもリアルだし、
序盤のムゲに対する好感度下げも、
中盤以降への計算された上でだったし、

他にもメインの2人に限らず、
全員に “素直になれずにいる要素“ が挟み込まれているのに、
メインを全く邪魔することがない。

それに対し、猫は逆に誰も仮面を被っていないのだが、
それらしいセリフやシーンはなく、
気が付かないくらい素直さが自然に描かれている。

そして物語が終わる頃には、
全員が成長してる。

脚本に参加されていたのが、
「さよならの朝に約束の花をかざろう」の監督脚本をされてた、
岡田麿里さんだったと知り、超納得。

ジブリ出身の柴山監督の腕かと思われるが、
現代へのファンタジーの絡め方や盛り上げ方も秀逸というか、
ジブリを彷彿させるけどパクリとは全く思わないし、
キャラメイクや世界観にも迷いがなく、
堂々としてて本当に好きでした。

ちなみに舞台は、愛知県常滑市みたい。


P.S.
メイン2人がお互いを見る時の視線も工夫がされてた模様。

どんな時にどちらが見上げてて、見下ろしていたか、
平行で見つめあっていたのはどんなシーンだったか。

太陽や日之出というワードがそういうとこまで掛けてあったとは、
見返し甲斐がありそうだぜまったく!笑
大野

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