とぽとぽ

泣きたい私は猫をかぶるのとぽとぽのレビュー・感想・評価

泣きたい私は猫をかぶる(2020年製作の映画)
2.8
日之出サンライズアターック! 世界との向き合い方についてピュアネス溢れるタイトル。思春期ティーンという無限大謎人間についての永遠のテーマ、多感な時期の繊細な問題(ex.『お引越し』)。それに対する反応は人それぞれだろうけど、本作の主人公"裸足"ムゲの場合、普段ウザいくらいハイテンションなのに、父の再婚相手薫さんに対する一見そのままだけど全く心開いていないドライさ。壁がすごい、皆へのへのもへじ、無理してこれ以上傷つかないための予防線"どうだっていい"。傷ついた自分は見せないで笑っては、猫になるムゲ = "太郎"、そして遂に人としての顔を捨てて…あ・り・が・と。居心地の悪さから逃れるための良さと心の拠り所、誰かの幸せを願ってそばにいたいと思う。代わりになれないし手遅れに(なりそうに)なってから愛されてたんだって思う。いつも本当にだいじなものに気づくのが遅くて、けどやっぱり後悔したくない。
猫は太陽の匂いがする、半猫はまだまだ思い残したことがあって人間臭い(?)。「世にも奇妙な物語」か「週刊ストーリーランド」って作品みたいなプロットとお面屋という存在(山ちゃんノリノリ)、あとやっぱり『猫の恩返し』。人間って苦しいし不器用だし、猫でもなんでも「○○(別の生き物)になりたい」と思うことはよくあることだけど、愛し方も愛され方も分かんなくてもとにかく気持ちは伝えたい。自分の周りに、いないと困る人っているかな。笑顔が見たい人ってさ。帰りたい場所があるっていいことだ(主旨が違うけどコロナ自粛期間に映画館行けなかったことでも実感した)。太陽の匂いみたいに愛らしい作品で、日本の王道アニメ間に日本という文化と古来からの神秘性も他作品よろしく話・世界の広げ方に一役買っている。単なる甘ったるいカミングオブエイジものになるスレスレの所で踏みとどまって有意義なメッセージを届けてくれるけど、最後の最後で(エンドロール横の小窓で"その後"が描かれはするけど)"家族"より単なる恋愛成就に振ってしまったみたいな印象の残るラストは好きになれなかった(※『聲の形』原作然り?)。ということでスコアは「ニャー」→ニ(2)・ヤー(8)

元々劇場公開が予定されていたらしいのに、新型コロナウイルスの影響でNetflix配信にシフトされたらしく、制作陣は映画館・劇場という魔法の宿る空間で流したかったろうな〜見られたかったろうな〜なんて思うと、少し切ない。ジブリも3Dアニメを作るっぽいし、世界的な3Dアニメへの移行期もきっと終盤を迎えてて、そんな中で手書きアニメで頑張ること


こら〜命を粗末にするな!あんただけの命じゃないんだから!→意図したことは違ってもお面屋もいいこと言う

パーッと温かくなる気持ちです!
とぽとぽ

とぽとぽ