ぐりんでる

泣きたい私は猫をかぶるのぐりんでるのレビュー・感想・評価

泣きたい私は猫をかぶる(2020年製作の映画)
4.0
猫のお面を被ると文字通り猫になれる能力を身につけた女高校生。
普段は空回りの元気を振りまくおてんば娘として好きになった男と不器用に距離を縮めようとする

猫になった時だけ、惚れた男の素直な気持ちや悩みを聞くことができる。が、
いざ人として寄り添おうとした時、思いもよらぬ言葉を聞くことになってしまう…恋も人生も悩み尽きない一夏の青春⚡︎


生きていれば経験する思い通りにいかないことの数々。
自分を守るために本心をどこかに隠してその場所を忘れてしまえば、口をついて出る言葉は、本当の気持ちとは逆の時もある。いずれはそれを後悔するよりもそんな自分を開き直るように受け入れるようになり、いつしか本当に素直な自分など消えてしまうかもしれない🐱

こんな人生は嫌だと、猫の面を被り続け、猫になることを望むことは一時の逃げでしかない。と猫になる道を辿った元人間は後悔をしている🐈

隣の芝はいつだって青い。誰かの庭覗く前に、自分の心を見つめ直してとった行動の結果は、何よりも蒼く瑞々しいものになるかもしれない🐱

人にこう思われたい。いつからか受け取る事ばっかり考えるようになってしまいがちだが、
本当に大事なのは、自分から人に与える事。人に一番響くのは屈折した自分への想いじゃない、真っ直ぐな相手への気持ちだけである🐈

そんなシンプルなことが青春ど真ん中の青い風に乗って、伝わってきた🐱

爽やかな清涼感も漂い、青い夏を感じるそんな映画だった。

夏といえば、夢か現か異世界がどこか身近に感じる気がする。
祭囃子に乗って何か不思議なことが起きそうな、そんな懐かしい気分にもなれた⛩

今年は祭りも花火大会もない、味気ない夏になりそうなのでささやかに夏を感じることができてよかった



感想:実際、本心を押し殺して猫かぶる時だってある。
俺なんて虎の威も借るし、まずそもそも眠れる獅子であると、かれこれ何十年も思ってるが、いまだ眠り続けている。
雀がそばで遊んでいられるほど穏やかに眠っている眠り猫でもある。
我輩は猫でないにしても、猫科の何かなのかもしれない

兎にも角にも
世界一、尾も白い(猫になれる女の)映画であった😆