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コレクティブ 国家の嘘のYYamadaのレビュー・感想・評価

コレクティブ 国家の嘘(2019年製作の映画)
4.1
【ドキュメンタリーのススメ】
コレクティブ 国家の嘘 (2019)

◆ドキュメンタリーの種類
 被写体のありのままを撮影する
「観察型」
◆描かれるトピックス
ルーマニアの公的医療の不正、
 汚職、悪政の行方

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・2015年10月、ブカレストのクラブ「コレクティブ」で火災が発生し、死者27名、負傷者180名を出す大惨事となった。さらに、命を取り留めたはずの入院患者が複数の病院で次々と死亡、最終的に死者数は64名にまで膨れ上がった。
・調査に乗り出したスポーツ紙の編集長は、事件の背後に製薬会社と病院経営者、政府関係者の巨大な癒着が隠されていたことを突き止め、報道を目にした市民の怒りは頂点に達し、内閣はついに辞職。正義感あふれる新大臣は、腐敗まみれのシステムを変えるべく奮闘するが…。

〈見処〉
①【薄められた】真実
 前代未聞の巨大汚職事件の行方——
・『コレクティブ 国家の嘘』 は、2019年にルーマニアにて製作されたドキュメンタリー映画。監督・脚本・製作・撮影・編集は『トトとふたりの姉』のアレクサンダー・ナナウ。
・本作は、ルーマニアを震撼させた巨大医療汚職事件を題材に、市民、ジャーナリスト、政治家ら異なる立場から事件に立ち向かう人々の姿を捉え、ルーマニア映画史上初めて第93回アカデミー賞で国際長編映画賞と長編ドキュメンタリー賞にノミネートされ、世界各国の映画祭で32の賞を獲得。
・非英語映画でありながら、タイム誌が選ぶ2020年ベスト映画の第2位、ローリングストーン誌選出の第1位、オバマ元アメリカ大統領の2020年のベスト作品リストに選出されるなど、高い評価を受けている。

②結び…本作の見処は?
完全に打ちのめされた。ルーマニアのその後を知りたい願望に駆られる作品。
◎:「これがドキュメンタリー!?」…被写体の人物の立ち振る舞いがとても自然で、かつ実話とは思えないストーリー展開がさる、今まで見たことがない、唯一無二のドキュメンタリー作品。
◎:「もはやスリラー映画」 …。前半は新聞記者、後半は新大臣を主人公に据え、痛快さと絶望感を感じるセンセーショナルな作品。観賞後の感傷は尋常ではない。
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