dita

ライムライトのditaのレビュー・感想・評価

ライムライト(1952年製作の映画)
4.0
@塚口サンサン劇場   

チャーリー、あなたの人生をなぞるようなこの映画を劇場の皆と一緒に観て、テリーと同じようにあなたに愛と希望をもらい、最後の舞台を楽しんだスクリーンの中の客と同じようにわたしたちも笑い、そして泣きました。素晴らしき映画体験をありがとう。

これまではことばを使わずに人生を語ってきたチャーリーが、燕尾服を脱ぎ、素顔を見せ、白髪になり、道化師の役を降ろされそうになっても「ふっ…」と笑うだけで舞台に戻らなかった時、この人は何で自分にこんなに厳しく出来るのだろうと思った。それでも彼は諦めずに再び舞台に立った(キートンと一緒にっていうのが泣ける)。そして、あの頃と同じようにわたしたちを笑わせた。あの舞台は人生そのものだと思った。

昔に家で観た時は、ちょっと説教臭いなぁと思っていた。何故なら、ことばというものは強いから。でも、今改めて観ると、チャーリーが今までことばを使わずに表現してきたものがやっぱりいちばん強かった。自分の人生、自分の生き様を自分の芸で表現しなければ誰が理解してくれる?と言わんばかりのラストステージ、泣けて泣けてしょうがなかった。ライムライトの光は誰の人生にも照らされていると信じたい。あなたにも、わたしにも。人生は映画であり、映画は人生だ。
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