とうがらし

レリック ー遺物ーのとうがらしのレビュー・感想・評価

レリック ー遺物ー(2020年製作の映画)
2.4
ミヒャエル・ハネケ監督「愛、アムール」、イ・ジェハン監督「私の頭の中の消しゴム」、堤幸彦監督「明日の記憶」、中野量太監督「長いお別れ」、石井裕也監督「ぼくたちの家族」、外山文治監督「此の岸のこと」など…。
フローリアン・ゼレール監督の「ファーザー」が注目されてからというもの、認知症系の映画が自分は意外と好きなことに気づく。
人間は誰しも年老いる。
若い頃には考えもしないだろう自分の未来が、そこにあるから。

さて、この作品について。
ナタリー・エリカ・ジェームズ監督のデビュー作。
雰囲気は一流。
しかし、なかなか盛り上がらない。
劇伴で強調しても、盛り上がらないものは盛り上がらない。
監督の”状況の取捨選択”と”空間把握”が弱いから、観てる方は何が何だか分かりにくい。
もっと脚本を吟味しないと…。
テーマを深く掘り下げる前にGOサインが出ているのか?
これじゃ、認知症じゃなくて、憑りつかれたゾンビだ…。

添い寝するラストで締めくくるが、直前の行動と矛盾している。
自分の母を想う気持ちがあったら、鈍器で殴らないし、髪を引き剥がさない。

ナタリー・エリカ・ジェームズ監督は日系女性で、久しぶりに日本に訪れた時、変わり果てた祖母に驚き、その実体験から着想を得たという。
これを聞いて分かった。
監督本人にとって、老いの問題が、一見切実なようにみえて、そんなに切実ではない。
ひとときのバカンスで出会った珍獣でも見るような感覚だったのでは?
普段から、祖母の介護を身近に観ていたら、もっと描写がリアルで、繊細になったはず。