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レリック ー遺物ーのRAMPOのレビュー・感想・評価

レリック ー遺物ー(2020年製作の映画)
4.0
酷い邦題も多い中、本作は「ヘレディタリー/継承」と類似の構成を持つ邦題が付されており、またストーリー的には全く別物なれど、あの何か起こりそうな終始ヒリヒリした雰囲気、また描こうとする本質部分(テーマ)にはやはり類似点があって、そこを見極め本作邦題を付けた者には素直な賞賛を贈りたい。
ただし、上記したとおり、物語的には認知症を発症した祖母の言動に振り回される母娘、それに並行して起こる不可解な現象が描かれていて、その現象がどうも曽祖父の晩年の扱いに起因する様だとは理解できても、一見して何が遺物なのか、どう曽祖父に繋がるのか分かりにくい。
祖母の住む実家も隠し部屋の様な、迷宮の様な作りになっており、これまた何がどうしてそんな家になってるのかも分からない。
最後の最後で、オチとして“それ”が“中”から現れて、そしてその兆候に娘が気づく事で、我々観客も「遺物」が何だったのか気がつくという物語構造になってる。
なかなかに凝っていて面白い。とは思うのだけど「ヘレディタリー/継承」ほどにはショッキングで印象的かつ画的に映える見せ場もなく、全体的には地味な印象なのは残念。
あぁでも、3人が川の字でベッドに寝そべるシーンは何とも言えない余韻を残すかな。
それほど怖くないので、そういうの苦手な人にもお薦めです。
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