不気味な絵作りは良いが、静かで恐怖演出は抑えめ。
「ホラー映画としてどうなんだ」と呟きそうになるも、それでも本作を単なる凡作ホラーに位置づけられないのは、「老化」「家族」を切実に描いているから。
やっと訪れるボディホラーやゴシックホラー的な展開も、決して見世物的・ビジュアル的面白さを求めているのではなく、芯の通ったテーマに繋げていてGOOD
「ハッピーエンドか、それとも...」的な囚われ方をしない、妙に心に残ってしまう意外な結末も、本作がただの老人怖い系ホラーと一線を画している証拠。
『ヘレディタリー』程の残酷性はなくとも、インパクトのある傑作と呼べずとも、侵食と消失を感じられる秀作でした。