ラーチャえだまめ

ナイト・ハウスのラーチャえだまめのレビュー・感想・評価

ナイト・ハウス(2020年製作の映画)
4.0
『“例外なく”しつこい男は無理な件』




どーもどーもIKEAの袋を裏返して使うラーチャえだまめです!早速ですが本日はコチラの作品を拝見させて頂きました


【ナイト・ハウス】…!!!いやーコチラも前回ご紹介した「アントラーズ」同様今の所配信のみで公開されている日本劇場未公開作品……今後はサーチライト・ピクチャーズの映画は全てディズニープラスに流れる運命なのか?アメリカでは去年劇場公開されたらしいコチラの映画、特にコレと言って話題に挙がっていないような……「ゴジラVSコング」でホームシックなコングを奮い立たせるセコンド飼育員を演じたレベッカ・ホールが主演の豚骨ベースの赤い看板ばりの“ありふれた”「家系ホラー映画」……と言ったところでしょうかー?とスルーしようとしたのですが森の中で魔女に遭遇したばりに「おっさんたちがワーキャーする・プロジェクト」ことク◯カッコいい“シシガミサマ”が自分の中でクリーンヒットしてしまったモンスターMOVIE「ザ・リチュアル」のデヴィッド・ブルックナー監督……ということで?ちょっと気になって拝見させてもらったのですが


だぁ〜い好きなのわぁ〜!ひぃ〜まわりのたねぇ〜!!よりも大好きだった14年連れ添った愛する夫が?ある日突然自宅の畔にある湖に浮かんだボートの中で拳銃自殺を図った。それから数日後、教師として仕事復帰することになった妻のベスは心にポッカリ穴が空き生きた心地すら感じることが出来ずにいた……そんなベスの空虚な姿をレベッカ・ホールが見事に演じております。そりゃそうなるよね、愛する人がいきなりこの世からいなくなってしまった悲しみと言ったら計り知れないでしょう。今は亡き夫の痕跡だけが残る家で二人が映ったホームビデオを食い入るように見つめるベス。彼女には同情しますよ。ただ心の傷が何一つ癒えることなく職場復帰する自分に無茶ぶりし過ぎた結果か受け持つクラスの生徒の成績をテキトーに採点し「お前らの成績なんぞ今の私には関係ない」と保護者にはっきりと目を見て断言する暴挙……こんな先生いたらアナタならどうしますか?


おどろおどろしいBGMは良かった。「音」でビビらすシーンが多くてネックスピーカーだとビクッとしてしまうことがしばしば……うるせーよ!!ただ「溜めて溜めて」いつ来るかわからん恐怖演出に思わず目を反らしながら見てしまいましたね〜、てことはホラー映画としては成功してるのかしら?あと“アハ体験”も出来るよ!!ベスの感情を言及すると


「怖いけど逢いたくてしょうがない。」


ここなんですよね〜。ただただ恐怖を植え付けようとするのではなくそこに「愛」があるというか……そこがより本作に「死の残酷さ」を強調しているというか、我々視聴者の感情に何か訴えてくるものがあるというか……


これはブルックナー監督が前作「ザ・リチュアル」で見せたやり口と似ています。自分が恐怖から逃げてマイベストフレンドの一人を見捨てた結果、友人を死なせてしまった後悔の念・罪悪感に苦しみ続ける主人公に、どうしてあの時助けてやらなかったんだよ!と画面越しにはいくらでも言えても、いざ自分だったらどうしよう、主人公を必ずしも否定出来るだろうか?そんなことを考えさせられる。今作もベスは友人には突然「狂った夫」が自殺したと主張していますが、内心では「夫が自殺した原因は自分なんじゃないか」と思っているんですよね。だから自分をめちゃくちゃ責めて精神的にボロボロ。愛していた人が自分のせいで死んだ。これほど辛く悲しいことはありません。



↓ブログにも感想書きました↓
https://edamamemamade.wixsite.com/edamame-movieimpact
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