調伏系V魔虚羅

RUN/ランの調伏系V魔虚羅のレビュー・感想・評価

RUN/ラン(2020年製作の映画)
3.7
下半身不随、不整脈等の先天性障害によって、車椅子生活を余儀なくされる娘と彼女を献身的に支える母親。だが、ある日不審な行動に気付く。異常なまでに歪んだ母娘愛。毒母と事実に気付いた娘の一騎打ち、逃げ出したいけど逃げられない恐怖。常に緊迫感の蔓延るサイコスリラーの秀作だ。
本作の主人公であるクロエ役のキーラ・アレン。実生活でも車椅子を使う方だそうで、車椅子を普段から使っている俳優とそうでない俳優の表現力というのはやはり雲泥の差。実際に障害を持った俳優がそのままの役柄を演じるという事は、多様性を尊重する世の中といえどまだまだ少ないのが現状だが、この初主演を機にどんどん色々な作品に出て欲しい役者さんであった。
そして、サイコ過ぎる母親を演じたサラ・ポールソン。彼女を語る上で外せないのがスティーヴン・キング原作の『ミザリー』だ。他人には良い顔しておいて、平気で一線を超えるサイコっぷりはキャシー・ベイツと同様に何を仕出かすか分からない不安と恐怖が常に襲う。サラ・ポールソン、流石の演技力だった。
調伏系V魔虚羅

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