ナツミオ

シャレードのナツミオのレビュー・感想・評価

シャレード(1963年製作の映画)
4.0
NHK BSPプレミアムシネマ
デジタル・リマスター版録画鑑賞
数回目ながら久し振り視聴。
映像が古さを感じさせない。

オードリーの代表作の一つ
アメリカでは『ローマの休日』より人気・評価が高い、ロマンス・コメディ・サスペンスの傑作。

1963年米作品
監督・製作 スタンリー・ドーネン(『雨に唄えば』『パリの恋人』)
原作・脚本 ピーター・ストーン
原作(共同) マーク・ベーム
撮影 チャールズ・ラングjr.(『麗しのサブリナ』『お熱いのがお好き』)
音楽 ヘンリー・マンシーニ(『ティファニーで朝食を』『酒とバラの日々』『ピンク・パンサー』シリーズ)
衣装 ユベール・ド・ジバンシィ
タイトルデザイン モーリス・ビンダー(007シリーズ)
出演 ケーリー・グラント オードリー・ヘプバーン ウォルター・マッソー ジェームズ・コバーン ジョージ・ケネディ

スイス旅行で離婚を決意しパリの自宅へ戻ってきたレジーナ(ヘプバーン)は、富豪の夫が殺されたと警察から連絡を受ける。
死んだ夫は第二次世界大戦中、米OSS(戦略事務局・CIAの前身)に所属し仲間達とレジスタンスへ運ぶ金塊を横領した事件に関わっていたことが分かる。
葬儀に現れた元仲間達はそれぞれレジーナに金の在処を教えろと脅迫してくるが、彼女は何も知らない。
スイスで偶然出会ったアメリカ人ピーター(グラント)の助けを借りて、謎を調べるうち彼に惹かれていくレジーナだが、ピーターは夫の元戦友達と顔見知りだった・・・

ドーネン監督はヒッチコック監督の傑作『北北西に進路を取れ』の様なサスペンス作品を撮りたかったらしく、ロマンティックなサスペンス作品として楽しめる。
また主演2人の大人の雰囲気を存分に活かした脚本もロマンス・コメディ・サスペンスのバランスが良く出来ている。

グラント演じるピーターが魅力的な謎の男を演じ、レジーナが次第に惹かれながらも彼が犯人ではないかと疑念を持つところは観客も同じ目線で引き込まれていく。パリの名所も随所に出てきて、楽しめる。

(以下Wikipediaより)
当時、グラント59才、ヘプバーン33才で年齢差から観客の反応を気にしたグラントの懸念から脚本は、オードリーがグラントに迫る描写に変更された。

最初グラントへのオファーは他の作品があり断られ、ポール・ニューマンへオファーしOKだったがギャラが高すぎ叶わなかった。
ニューマンの方が若く似合っていた役柄。もし出演していれば当然ニューマンがオードリーを口説く場面も観てみたかった!

レジーナの死んだ夫の元戦友達
コバーン、ケネディや米大使館所属のCIA局員マッソーどれも犯人でもおかしくない役柄。
特にコバーン演じるテックスが電話ボックス内でレジーナに火をつけたマッチを次々と膝の上に落とす脅迫シーンは恐い‼️

しかし実際コバーンはヘプバーンにベタ惚れだったらしい。
『荒野の七人』を観たヘプバーンが監督にテックス役にコバーンを推薦したというエピソードも興味深い。

オープニングタイトルは007シリーズでも有名なモーリス・ビンダー。60年代らしい原色鮮やかなデザイン。
ヘンリー・マンシーニの音楽も耳に残る名曲。
終盤の公園のメリーゴーランドから流れる曲調を変えたテーマ曲も雰囲気あり。

当然、オードリー作品のこれまでで最大のヒット作となったのも頷ける。(翌年『マイ・フェアレディ』で更新)、ドーネン監督自身では生涯最大のヒット作品となった。
オードリー作品の常連スタッフで固められた鉄板作品。
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