MasaichiYaguchi

いけいけ!バカオンナ~我が道を行け~のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.7
鈴木由美子さんの同名漫画を文音さん主演で、時代設定をバブル期から現代に移して実写映画化した本作は、世に言うイケテル女の真実の姿や、「女の友情」ははかないものなのかを笑いと涙一杯で描きだす。
主演の文音さんは何となく娘役が多いような印象があるが、変顔やコミカルな仕草を炸裂させるコメディエンヌを演じるのは今回が初めてだと思う。
彼女が演じる杉山結子は外見はお洒落で自由奔放な女を装っているが、その実態は地味で質素、そして性愛にも臆病なイケテナイ女。
そんな彼女の前に或る合コンでスタイル抜群なハーフ美女・澤野セツコが現れ、お互いにライバル心剥き出しで張り合ってしまうのだが、ふとした切っ掛けで互いの“本質”に共通点を見出だした2人は徐々に心を許し合っていく。
このセツコを石田ニコルさんが演じていて、恰も文音さんと漫才を繰り広げているような息の合ったところを見せる。
そして真魚さんが2人の“繋ぎ”と言うか“潤滑剤”のような共通の友人・中川絵美を演じている。
結子とセツコの出会いから10年間を、山あり谷ありの恋愛や、夫々が学生から社会人になってからの変化を交えて描かれていく。
元々原作漫画は、作者である鈴木由美子さんが結婚する親友をモデルに描いているので、映画化版である本作は多少デフォルメされたり、オーバーに演出されているところはあるかもしれないが、異性の立場から見ても、時に吹き出してしまうそのドラマに共感を覚えてしまいます。