TaiRa

ビバリウムのTaiRaのレビュー・感想・評価

ビバリウム(2019年製作の映画)
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『世にも奇妙な物語』の一編で丁度いい。長編にするには展開が足りないしダレる。

住宅バブルと侵略SFを掛け合わせた寓話なのは面白いし、マグリット的なシュールレアリスム調の世界観も毒々しくて可愛いんだけど、やっぱ一時間位で飽きる。終盤の異次元パートなんかは飛躍があって良かったが、尺も短いし出て来るのも遅い。粛々とダウナーな夫婦崩壊が描かれていてこっちも疲れる。托卵SFとしての肝である「子供キモい」が良く出来ているんだけど、それもずっと観せられると単純に鬱陶しいから困ったものだ。あのクソガキの声がおっさん吹替っていうのはシュールで良かった。ホラー要素としては、アバンタイトルのカッコーの托卵映像が一番キモくて怖い。描きたいのがいわゆる住宅ローンやジェンダーロールに縛られる男女が崩壊して行く様なんだけど、変換が一段階くらいでその先がない。ツイストがないとただの例え話になってしまう。あと侵略する側から観たらなんか効率悪いシステムだな、とは思う。
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