べーやん

ビバリウムのべーやんのレビュー・感想・評価

ビバリウム(2019年製作の映画)
-
ビバリウム=生き物の住む環境を再現した空間。現在は、爬虫類や両生類の棲む環境を再現したケージの事。

とあるカップルが、“yonder”というパステルグリーンの家が建ち並ぶ住宅街を紹介されて、脱出できなくなる…

人気のない住宅街、歩いても歩いても【9】の自宅に戻ってしまう。
風もなく、ぽこぽこ綿のように浮かぶ雲。

音があり、匂いがあり、味があり、風がある。そして天気の移り変わり。そんな当たり前のことが全て無くなった世界。
そして何故か届いた赤ん坊。
怖すぎる。こんな生活耐え切れないし、ましてや夫婦でもないカップル。崩壊していく精神がよく描かれているし、生き地獄である様が2人の演技で伝わってくる。特にイモージェン・プーツの演技が凄かった。

どうしてこんなめんどくさいことをするんでしょう?なんのための存在なんでしょう。
あの本は、あのテレビはなんなんでしょう?などなど、気になることはたくさん。
それでも全て明かされないのが余計不気味でもあり、そこがこの映画の味なのかもしれません。
この物語の冒頭でジェマの「それが自然というものなの」という言葉に全てが集結されるのでしょうか。

わたしの今いる世界がどれほど素晴らしくて幸せなのか、思い知らされた作品でした😭