このレビューはネタバレを含みます
不気味で救いのないSF映画。
若いカップルが住宅見学で訪れたのは全く同じ家が建ち並ぶ住宅地「Yonder」。ふと気付くと、ここ迄案内してくれた不動産業者がいない。どれだけ車を走らせても不気味な住宅街から抜け出せない…そして、見知らぬ赤ん坊の存在。2人は次第に精神的にも追い詰められていき…
見慣れぬ環境の中でおかしな子供を育てることを強要される2人。
子供はなにかを要求する際、甲高く劈くような悲鳴をあげる。親役2人の言動を完コピし、しょっちゅう一人言を言っている。非常に不気味に思えるが…。
この辺り、普通に育児してても通過しそうな出来事だと思った。奇声をあげる5、6歳児に嫌な顔をする2人だが、よく思い出してほしい。この時点で、赤ん坊を拾ってからまだ3ヶ月しか経っていない。3ヶ月児なのである。上手く言葉を操れなくても仕方がないし、夜寝る前に叫んだのだって寂しかったからかもしれない…
と思わせるのが、子供の魔力である。
少なくとも、少年時代までは愛情を抱かせられていた。外見的な可愛さ、非力さで大人の庇護欲を刺激し、世話をさせるのが子供というもの。
それを抜きにしても、もう少し子供によくしてやれないのかと思う。
別に可愛いからではない。敵か味方かも分からぬ存在(おそらく敵)と同じ空間で生活しなければならないのなら、敵対するより懐に入れた方が今後なにかと得になるのではないかと思った。
まあ、結末が決まってるのならどうしょうもないか…。