シネオ

宇宙でいちばんあかるい屋根のシネオのレビュー・感想・評価

3.8
「ぼくは明日〜」「三月のライオン」「ちはやふる」など、数々の名作で脇を支えてきた清原果耶さん。実力を積み上げての映画初主演は、気持ちの変化を繊細に描いて上手かった。ピュアな持ち味も素敵だし、ワンカットの首まで落ちる涙もなかなかでした。

桃井かおりさんはさすがの存在感だなぁ。妖艶さを排除して、毒舌だけど温かいおばあちゃんの愛らしさがお見事。樹木希林さんのポジションになっていくのかな。吉岡秀隆さん、坂井真紀さんのベテランが、物語を確かなものに。そして今年劇場で観るのが3作目の、伊藤健太郎くんすごいな。丁寧な役作りがよくできるよね。

今年社会派でアカデミー受賞の藤井監督だけど、真逆の御伽話は映像が美しくて癒される。コロナ禍のくたびれた心にそっと寄り添ってくれる、優しい作品でした。
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